2025年1月14日火曜日

ヒトメタニューモウイルス→「みんな一度はかかってる」

ヒトメタニューモウイルス→「みんな一度はかかってる」(2025.1.8)https://news.yahoo.co.jp/articles/e4b97524c2db5969747ee740c30d40506ba5d3cc

・ヒトメタニューモウイルス (human metapneumovirus: hMPV) は、2001年にオランダで発見されたウイルス。20年以上前に見つかっているウイルスで、実際はもっと昔から世界中に広がっている

・一般的には「風邪を起こすウイルスの一つ」として私達はとらえている。日本でも毎年のように流行がおこっている。時々比較的大きな流行が起こることあるが、決して新しく出てきたウイルスではない。

・一番近いウイルスは「RSウイルス」。小児や高齢者が感染すると重症化することがあるが、年長児より大きい子供や大人であればかかっても「ごく軽い風邪程度」という病気。ヒトメタニューモウイルスはRSウイルスと同じようなウイルス。


・症状のほとんどは普通の風邪症状で、せきや鼻水や熱など。ごくありふれた病気で決して珍しいものではない。


・RSウイルスは2歳未満でかかることが多いが、ヒトメタニューモウイルスは大体小学校に入るまでに、ほとんどの子どもは一度は感染する。


・ただ一度感染すれば2度と掛からないという病気ではないので、繰り返し何度もかかる。2回目3回目となっていくにつれて、だんだん軽くなって来るし、症状がほとんど出ないこともある。ただし、小さな子供やお年寄り、元々肺に病気を持っている人などの場合、重い病気を起こすことがあるので注意が必要。


・いま北京当たりで流行しているとの報告がある。これが新型コロナのようにパンデミックを起こすかも―という心配はいまのところ全くないと思われる。北京の状況も、小さな子供たちを中心に流行していて、大人の感染はほとんどない。


・新型コロナでも、さらにさかのぼって、2009年の新型インフルエンザでも、新しいウイルスで誰も免疫を持っていなかったから、子供からお年寄りまでみんなが感染した。そういうものがパンデミックを起こす。


・今回のヒトメタニューモウイルスがもし何か大きな変異を起こしているということであれば、大人もみんなかかっていると思われる。流行しているとは言っても小さな子供達が中心なので、よくあるヒトメタニューモウイルスが、この数年の中では大きな流行になったなということが取り上げられている、ということだと思われる。


・新型コロナウイルスの時の様に、「中国から何か流行ったぞ」、「パンデミック起こすかもしれない、春節で中国人が日本に来るけど大丈夫なのか?」ということを心配する理由は現時点では全くない。


・元々日本にもあるウイルスなので、新たにやってきたからと言って、それが大きな影響を及ぼすということは考えにくい。


・感染予防対策はインフルエンザも、新型コロナも、RSウイルスも、ヒトメタニューモウイルスも同じ。基本は「三密」を避ける。これが、ほとんどすべての呼吸器感染症を防ぐ基本だ。神経質になる必要はないが、小さな子どもや持病を持っている人、かかると重症化する恐れのある人たちに関しては、感染対策の基本を守って欲しい。

(長崎大学 森内 浩幸 小児科教授)

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