非喫煙者に肺がんと関連する肺結節所見 その解釈
非喫煙者の42%に肺がんと関連する肺結節所見
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関連する可能性のある肺結節が1つ以上認められたことが報告された。非喫煙者の肺がんリスクは、通常は低いと考えられている。
著者は、「この数字は予想以上に高く、喫煙者のハイリスク集団で報告されている肺結節の発生率に近いものだった」という。
(「Radiology」に8月13日掲載)
研究グループの説明によると、胸部CT検査で肺結節が見つかるのは珍しいことではなく、肺がんの高リスク集団においては初期肺がんの兆候である可能性が高い。
また、肺結節の発生率とサイズに関する過去の研究の大半は、ヘビースモーカーの肺がん検診データに基づくものであり、現在の肺結節の管理に関する推奨のほとんどもこの集団をベースにしている。
そのため、低リスク集団において肺結節が見つかった場合に現在のガイドラインに準拠すると、不必要な追加検査の実施につながる恐れもあるという。
今回の研究では、45歳以上の非喫煙者1万431人(平均年齢60.4歳、女性56.6%、喫煙未経験者46.1%、元喫煙者53.9%)を対象に、肺結節の発生率とサイズの分布を年齢と性別ごとに調査した。
結果
・対象者の42.0%に1つ以上の肺結節が確認され、この割合は年齢とともに上昇することが明らかになった。
・また、臨床的に意味のある肺結節(結節サイズが6~8mm以上)が認められた対象者の割合は11.1%で、この割合も年齢とともに上昇していた。
・男性の方が女性よりも肺結節が見つかる確率と複数の結節を持っている確率が高い。
・これらの肺結節のほとんどは、がんではなかった。
これらの非喫煙者での肺がん発症率は0.3%と極めて低く、発見された臨床的に意味のある結節や対応が必要とされる結節のほとんどが良性であることを示唆している。
それでも、これらの結節が見つかった場合には、現行のがん検診ガイドラインに従った追加検査と診察が必要となる(必要となってしまう)。
・研究グループは、欧米諸国では喫煙者が減少傾向にあることに言及した上で、「肺がん検診のガイドラインを更新することが重要だ」との考えを示している。
・このような喫煙者の減少傾向を考えると、非喫煙者の肺結節に関する基礎的かつ包括的なデータを提供した今回の研究結果は重要となる。
・なお、米国肺協会(ALA)によると、肺結節はがん以外にも、大気汚染、関節リウマチのような慢性炎症性疾患、結核のような感染症によっても引き起こされる。
また、非喫煙者の肺結節は、健康診断などでX線検査やCT検査を受けたときに偶然、発見されることが多いという。
(HealthDay News 2024年8月13日)
版権 HealthDay(一部改変)
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