肺NTM症の患者増加
肺NTM症の患者増加で専門外来を圧迫、非専門医も介入する時代に
(要ログイン 版権 日経メディカル)
肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)の患者が急増している。
肺NTM症は、治療期間が年単位と長く、その後も定期的なフォローアップが欠かせない。
肺NTM症は、結核菌とらい菌以外の抗酸菌を原因とする肺感染症だ。
罹患率は10万人当たり14.7人で菌陽性肺結核の罹患率(同10.7人)を超えている(2014年の全国調査、2024年の調査は集計中)。
さらに、肺NTM症による2022年の年間死亡者数は2360人に上る。
結核による2023年の年間死亡者数1587人を抜き、現在、肺NTM症は呼吸器疾患を診る医師なら誰もが遭遇し得る疾患になっている。
肺NTM症は根治が難しく、治療によって自覚症状の改善、重症化の予防による長期予後の改善を目指すとされている。
初期症状は乏しく、胸部X線画像やCT画像で主に中葉・舌区に結節や空洞が見られることが特徴。
よくある自覚症状は咳や痰などで、これらの症状が持続している場合、すでに病気が進行している可能性がある。
さらに病状が進行すると、血痰や喀血、咳嗽、多発空洞や気胸に進展し、患者の生活に大きく影響する。
ただ、肺NTM症診療はこの10年ほどで大きく進歩しており、発症初期に適切な治療を行うことで、コントロールが可能になっている。
近年、難治性肺NTM症に対する新規治療薬であるアミカシンリポソーム吸入用懸濁液(商品名アリケイス)が登場し、2023年には「成人肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解」も改訂。
新たな治療薬を含む診療の流れが提示された。
肺NTM症の約9割はMycobacterium avium complexが原因。
肺MAC症の治療は、空洞のない結節・気管支拡張型(重症は除く)、重症例、難治例、と病型によって異なるが、標準的な診療を例に診療のフローを整理すると、
(1)診断後、マクロライド系抗菌薬とエタンブトール(エサンブトール、エブトール)、リファンピシン(リファジン他)の3剤併用療法を数カ月実施(重症度に応じて他の抗菌薬の注射・吸入薬を併用、必要に応じて外科手術も検討)、
(2)喀痰培養検査による排菌陰性化確認後、1年~1年半治療を継続、
(3)治療終了後は定期的に胸部X線・胸部CT検査、喀痰培養検査、全身所見の確認などのフォローアップを実施──の3段階に分けられる。
<関連サイト>
肺MAC症の最新治療法とケア
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/202408/585071.html
(要ログイン)
急増する肺NTM症のギモンに答えます
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/202408/585069.html
(要ログイン)
肺MAC症の新薬アリケイス、処方時の注意点は
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/kurahara/202201/573169.html
(要ログイン)
成人肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解 ― 2023年改訂 ―
(要ログイン)
0 件のコメント:
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム