2025年7月8日火曜日

正確ながん情報の入手を

正確ながん情報の入手を がん治療は情報戦 信頼度高いネット発信もとに判断を

・がんは最初の治療がうまくいかないと、完治が遠のく。病院選びも大きなカギを握るが、治療の途中で病院を変えることはまずできない。


・一度がんの治療を始めると、事実上後戻りができない。「敗者復活戦なしの一発勝負」に近いと言える。そのため治療前の情報収集は非常に重要だ。


・がん治療は一種の情報戦だ。がんを知り、正しい情報を手に入れることがとても大事だ。


・情報収集と言えばインターネットですが、SNSに広がるがん情報を某大学病院の医師がファクトチェックしたところ、44%が誤りで、31%に有害な情報が含まれていたという。ネット情報は玉石混交で、患者さんはその見極めが大切だ。

コメント;

医師が発信した情報だから安心だというのは、まったくあてはまりません。

週刊誌でさえ、特任教授という肩書きの高齢の免疫学者が高血圧についてとんでもない記事を書いているのに驚きました。

「東大医学部卒」という肩書きの(医師としての経歴も然程でも)精神科医が、専門外の内容でベストセラー本を山ほど出しているのをご存知の方も多いのではないでしょうか。

別件ですが、「国立大学医学部卒」、「医学博士」、「◯◯教授」、「米国留学」・・・。皆さん、専門学会の会員でもなく、学会で発表した結果でもなく、医学的であっても科学的でない、個人的な思いつきのアイデア(?)を国民に向かって発信するようなSNSやベストセラー本には気をつけましょう。

学会では収入は得られません。むしろ参加費用などが発生します。

一方、専門医が腰を抜かすような内容のベストセラー本を発売すればかなりの収入が入ることになります。

誤った医学情報の発信は、学会でコンセンサスが得られている正当な治療方法への妨害となるだけではなく、健康を蝕むことがあるという意味では問題は深刻です。

最近では、比較的若い先生が、専門外の内容についてSNSで滔滔と発信していることにも驚きます。


・ネットに広がるがん情報で太鼓判を押せるのが、国立がん研究センターが手がける「がん情報サービス」だ。すべてのがんについて治療法や副作用、再発後の選択肢まで詳しく解説している。「診療ガイドライン」に沿った情報で、最も信頼できます。


・診療ガイドラインは医師向けに最適な治療法を解説したもので、一般市民が読み込むのは難しいと思われる。他方、患者や市民向けのガイドラインもあり、一般の方が理解しやすいように配慮されている。肺がんや大腸がん、膵臓がん、胃がん、乳がん、前立腺がんなど多くのがんについてネット上で公表されている。一部は書籍版も販売されている。


・さらに、がん患者における気持ちのつらさガイドライン、がん免疫療法ガイドライン、骨転移診療ガイドラインなど、臓器横断的なガイドラインもある。診療ガイドラインの検索には「Mindsガイドラインライブラリ」のサイトが便利だ。


・残念なことに、「がん情報サービス」や診療ガイドラインではなく、どうみても怪しい情報にだまされる患者が後を絶たないのも事実だ。


・教育レベルの高い人ほど、科学的根拠のないがん治療を受けやすいというデータもある。高学歴の患者が怪しい民間療法を選ぶこともあり、これは自身の判断力に対する過信が原因かもしれない。


・日本人の「ヘルスリテラシー」は世界でも最低ランクで、日本はインドネシアやミャンマー、ベトナムより下になっている。

(日経新聞・2025.7.2  中川恵一 東大特任教授)


参考

「がん情報サービス」

https://ganjoho.jp/public/index.html

「Mindsガイドラインライブラリ」

https://minds.jcqhc.or.jp/ 

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