胸痛症候群
胸痛症候群
https://www.jhf.or.jp/action/2ndopinion/faq/post_1/
胸痛症候群とは「原因不明の胸痛をいう。胸痛の原因になる疾患のすべてが否定された状態を仮に一括していっておく場合に用いられる」と定義されている。
実は仮に診断しておく原因不明の胸痛ということになる。
原因がわかれば、ここから除外される。
ちなみに、ある総合内科クリニックの統計(内科2018;122:485-488)では、初診時、胸痛を主訴としていた方の最終診断は狭心症8%、その他の心疾患5%、 肺・気管支疾患20%、消化器疾患10%であり、筋・骨格疾患20%、肋間神経痛 8%、心因性など17%、その他・不明11%であった。
つまり、筋・骨格疾患、心因性、その他の計52%が胸痛症候群だった。
胸痛症候群の痛みは、チクチク、ピリピリ、刺すような痛みが多い。
14歳から20歳までの若い女性にしばしば訴えられる。
指で指し示すことができる範囲の痛みであることが多く、ピンポイントの痛みといわれたりする。
痛みは身体を伸ばしたり、体位を変えたりすると消失したり、逆に出現したりと体位と関係することが多い。
(コメント; 実は、心膜や胸膜由来の痛みも呼吸や体位で変化することがある)
成長期、思春期のこの年代によくみられて、日が経つと自然に軽快していく、というのが特徴であり、多くの場合は筋・骨格系の成長とかかわる胸痛だろうと考えられている。
胸の筋肉の一部を摘まむと痛むことがあるのも筋肉痛とみる根拠となっている。
同じような症状でありながら、後日に診断が明確になる特殊な場合がある。
痛む箇所に発赤がみられ、やがて水泡ができて、ヘルペスであったとわかる場合、肋骨の下縁に沿った痛みであることから肋間神経痛と診断される場合が該当する。
肋骨の肋軟骨との接合部が局所的に腫脹していて、おさえると痛むのはテイーチェ症候群とよばれる肋軟骨関節炎だ。
このような局所の炎症は、みぞおちの剣状突起、鎖骨と胸骨をつなぐ胸鎖関節にもみられることがある。
また、注意を要するものに気がつかないでいた肋骨骨折という場合がある。
海外でも注目されていて、Precordial Catch Syndrome、プレコーディアル・キャッチ症候群、とよばれるものがある。
これらの文献では、患者さん本人あるいはそのご両親に悩み事がある場合があるとされ、痛みの部位は、心臓ではなく胸の筋肉部分(胸壁)であることをよく理解させた上で、屋内外の運動をすると痛みが消失するケースがある。
若い人の胸痛は、狭心症など命にかかわるような心臓病が原因で起こることはほとんどなく、病院の検査で異常がなければ、こうした胸の外側の痛みである場合が多く、過度な心配は不要だ。
関連サイト
あなたの症状と胸壁症候群の関連をAIでチェックする
https://ubie.app/lp/search/chest-wall-syndrome-d1204
Tietze症候群:リウマチ性疾患と鑑別が必要な骨格症
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cra/32/4/32_260/_pdf/-char/ja
筋骨格系の胸痛 MCWP (Musculoskeletal chest wall pain)
http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-nagasakiiryo-180904.pdf
(ドクター用)
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