2024年7月1日月曜日

米内科学会、糖尿病GL「DPP-4薬推奨しない」

 米内科学会、糖尿病GL「DPP-4薬推奨しない」

https://www.m3.com/clinical/news/1206121?portalId=mailmag&mmp=EX240625&mc.l=1042552576&eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d

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米国内科学会(ACP)は4月19日、糖尿病治療ガイドライン(GL)の改訂を発表した。前回(2017年)から7年ぶり。メトホルミン+生活習慣改善を行っても、血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬の追加を推奨した。一方、DPP-4阻害薬の追加は前回版から一転、「推奨しない」との勧告が示された(Ann Intern Med. 2024 Apr 19. doi: 10.7326/M23-2788. )。


・GRADEシステムを用いて、全死亡、主要有害心血管イベント(MACE)、心筋梗塞、脳卒中、心不全による入院、慢性腎臓病の進行、重篤な有害事象、重症低血糖――の優先順位で評価を行った。


【推奨1】

メトホルミンと生活習慣の改善を行っても血糖コントロールが不十分な成人の2型糖尿病患者に、SGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬を追加することを推奨する(強い推奨、エビデンスの確実性・高)

―全死亡、MACE、慢性腎臓病の進行、および心不全による入院リスクを減少させるために、SGLT2阻害薬を使用する

―全死亡、MACE、脳卒中のリスクを減少させるためにGLP-1受容体作動薬を使用する

コメント;

GLP-1受容体作動薬には「慢性腎臓病の進行抑制、心不全による入院リスクの減少」は期待できない。


【推奨2】

メトホルミンと生活習慣の改善を行っても血糖コントロールが不十分な成人の2型糖尿病患者の罹患率と全死亡率を減少させるために、DPP-4阻害薬を追加することを推奨しない(強い推奨、エビデンスの確実性・高)

コメント;

つまり、DPP-4阻害薬には全死亡率を減少させる効果は期待できない(エビデンスの確実性・高)という強いメッセージ。DPP-4阻害薬の血糖低下作用には一定の効果が期待できるはずなのに、「全死亡、MACE、慢性腎臓病の進行、および心不全による入院リスクの抑制効果」は期待できないという意味にも捉えられる。つまり、これらの抑制効果は血糖低下とは独立したものである、ということになるのだろうか。

その点については「血糖コントロールの効果は検討していない」という記事中の記述に書かれている。

問題点;

・米国でのデータにもとづくGLであり、日本人にそのまま適応していいのだろうか。

・糖尿病による大血管障害は欧米人に比較すれば日本人は少ない。小血管障害の抑制がDPP-4阻害薬で期待できるのであれば、全否定するのはいかがなもだろうか。

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