2大血糖降下薬のフレイルへの懸念は払拭されたか
2大血糖降下薬のフレイルへの懸念は払拭されたか GLP-1RA、SGLT2阻害薬のリスクを米・大規模データで検証 https://medical-tribune.co.jp/rensai/articles/?blogid=11&entryid=569889 (要ログイン)
日本糖尿病学会も可能性を指摘
GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)はその減量作用に期待が集まる一方、脂肪だけでなく筋肉の減少に伴う、サルコペニアやフレイルのリスク上昇が懸念されている。
日本糖尿病学会が昨年(2024年)発出した『インクレチン関連薬の安全な使用に関するRecommendation 第2版』にも、「食事摂取量の不足した高齢者では、体重減少からサルコペニア・フレイルにいたる可能性がある」との記載がある。
SGLT2阻害薬も同様に、尿糖排出に起因する異化亢進による筋肉量減少(サルコペニア)の可能性が、一部で指摘されている。
これらの懸念は正鵠を射ているのか。
この点を米国の大規模データで検証した結果が、11月13日、Diabetes Careに掲載された。
著者は米国・Harvard Medical SchoolのChan Mi Park氏ら。
同氏らによると、両薬剤とフレイルの関連を検討した初めての研究だという。
論文抄録
Sodium-Glucose Cotransporter-2 Inhibitors, Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists, and Frailty Progression in Older Adults With Type 2 Diabetes
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41232081/
この英文抄録に記載された結論;
GLP-1受容体作動薬とSGLT-2受容体作動薬は、心血管系への有益性とは独立したメカニズムによってフレイルの進行を遅らせる可能性がある。
今後の試験でこれらの予備的知見が確認されることを期待する。
関連サイト
SGLT2阻害薬は2型糖尿病患者の転倒リスクを高める
https://dm-rg.net/news/3f6490de-21a6-4f00-9af0-235c832698c6
とくにSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の併用は、転倒リスクを大幅に高めることが示された。
SGLT2阻害薬で糖尿病患者の転倒リスク上昇
https://www.carenet.com/news/general/hdn/60940
・糖尿病患者は一般的に転倒リスクが高く、その理由として従来、神経障害や網膜症といった合併症の影響とともに、血糖降下薬使用による低血糖の影響が指摘されていた。さらに比較的近年になり、血糖降下以外の多面的作用が注目され多用されるようになった、SGLT2-iやGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)に関しては、体重減少とともに筋肉量を減少させることがあり、その作用を介して転倒リスクを高める可能性も考えられる。
・SGLT2-iの処方は転倒の独立したリスク因子であり、一方でGLP-1RAの処方の影響は統計的に非有意だった。ただし、SGLT2-iとGLP-1RAが併用されていた場合の転倒リスクは、SGLT2-i単独よりも高かった。従って、2型糖尿病患者にこれらの薬剤を処方する際には、転倒リスクを考慮することが重要である。

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