2025年7月29日火曜日

iPS「パーキンソン」治療 治験で症状改善

 iPS「パーキンソン」治療  治験で症状改善

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)などは、iPS細胞を使ったパーキンソン病の臨床試験(治験)で安全性と有効性を示唆する結果を得た。パーキンソン病は神経の難病で有効な治療法がない。


iPS細胞を使えば、症状を改善し、根本的な治療が実現する可能性がある。


治験などの成果は16日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。  


パーキンソン病は脳内の神経細胞に異常が起き、運動機能が衰えていく病気。手足の震えやこわばりなどが主な症状で、病気が進行すれば歩行が困難になり、

食事も難しくなる。


根本的な治療法はなく、現在の治療は主に症状をやわらげる対症療法が中心だ。

 

国が定める難病に指定されている。世界には約1000万人、日本でも約25万人の患者がいるとされる。

 

治験は京大医学部付属病院(京都市)で2018年から23年にかけて実施した。

 

健康な第三者由来のiPS細胞から神経細胞のもととなる細胞を作製し、パーキンソン病の患者に移植した。


大きな副作用はなく、投与した患者6人中4人に運動機能の改善がみられたという。今後、iPS細胞由来の医薬品として、協力企業の住友ファーマが実用化を目指す。

(日経新聞・朝刊 2025.4.17)


<コメント>

当院でも、数人のパーキンソン病の方に通院していただいております。

「京大で、iPS細胞を使ったパーキンソン病治療の治験が進行中ですから期待して下さいね」って励ましてきました。

いよいよ、実用化に一歩近づいた感があります。


さて、運動機能がどのくらい改善したのか、効果のなかった症例はどこが違うのかも知りたいと思いました。論文を精読すればわかることだと思いますが・・・。


現時点で、パーキンソンの治療薬は数多くあります。

問題は、病状の進行に関係があることかもしれませんが、長期使用中に効果が減弱し投与量を増やせねばならないこと、そして最大使用量になってしまうという問題がありました。


今回の治験は、パーキンソン治療薬に併用してiPS細胞を使用したのでしょうか。

<関連サイト>

「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験」において安全性と有効性が示唆

https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/press/20250417.html

・50~69歳の7名のパーキンソン病患者を対象に、iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞を脳内の被殻に両側移植した。

・被殻・中脳黒質:いずれも脳の部位の名称。パーキンソン病では、中脳黒質のドパミン神経細胞が減少し、被殻へのドパミン供給が不足することで、運動症状が引き起こされる。

コメント;

移植方法に記載がありません。

中脳黒質への移植は効果がないという考えなのでしょうか。


パーキンソン病の治療を目指して

https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/newsletter/250514-000001.html


iPS細胞を用いたパーキンソン病治療 治験で“有効性” 京都大

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250417/k10014781301000.html

・今回の治験は7人の患者に対して行われましたが、1人については安全性のみの確認で、治療の効果が調べられたのは6人です。

・4人のうち2人は症状の程度の区分が「中等症」から「軽症」に、1人は「重症」から「中等症」に改善したということです。一方、2人は数値が数ポイント悪化しましたがこれは同じ期間、薬で治療を受けていた人と同じ程度の悪化だったということです。

・大幅な改善が見られた患者は年齢が比較的若く、症状の程度が軽かったということで、研究チームはこの治療について「若くて重症度の低い患者に適していると考えられる」としています。

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